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2011/1/5

経済産業情報

ケルン大聖堂の背が縮んだ?

この記事の要約

ケルンの大聖堂を知らない人はまずいないだろう。世界遺産に登録されているし、日本の中学校の教科書にもゴシック建築の代表格として必ずと言っていいくらい出てくる。その姿は西側の正面から仰いでも、ライン川のある東側から眺めても圧 […]

ケルンの大聖堂を知らない人はまずいないだろう。世界遺産に登録されているし、日本の中学校の教科書にもゴシック建築の代表格として必ずと言っていいくらい出てくる。その姿は西側の正面から仰いでも、ライン川のある東側から眺めても圧倒的である。ドイツのゴシック建築らしく、垂直性が素直に力強く表現されているのだ。

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ではその高さはどの位かと言うと、正面から向かって左側の北塔が157.38メーター、右側の南塔は157.31メートルである。これはパンフレットなどに載っている公式の数値だ。

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ところが、最近新たな測量を行ったところ、北塔は20センチ低い157.18メートル、南東も9センチ低い157.22メートルという結果が出、議論を呼んでいる。

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大聖堂に一体何が起こったのかということで地元紙『ケルナー・エクスプレス』は「ドーム(大聖堂のこと)の背が縮んだ」とのタイトルで報道した。

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石でできた大聖堂が小さくなるなどということがはたして起きるものなのか、、、。専門家の指摘によると、夏の暑さや冬の寒さで石が膨張・縮小するため、高さの変化はありうるとのことだ。

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だが、20センチもの違いが出た最大の理由は測量の基準点が2000年に行った前回とは違っていることにあるようだ。意外なことだが、ケルン大聖堂の測量基準点は決まっていないという。大聖堂の建設管理機関は今回の測量結果を受け、2011年中にも基準点を固定する考えを示している。

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ちなみに今年はケルン大聖堂をデザインした2ユーロ硬貨が限定発行される。枚数は3,000万枚と多いため、現金を利用していればいずれ入手できる見通しだ。1月28日から流通が始まる。

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