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2011/1/5

経済産業情報

エタノール10%混合燃料、販売開始に遅れ

この記事の要約

エタノールを10%混合したガソリン「E10」の販売開始が法令に定める今年1月1日よりも大幅に遅れる見通しだ。同燃料の販売に関する政令案が議会で成立したのが12月半ばと遅かったため、燃料メーカーやガソリンスタンドの対応が間 […]

エタノールを10%混合したガソリン「E10」の販売開始が法令に定める今年1月1日よりも大幅に遅れる見通しだ。同燃料の販売に関する政令案が議会で成立したのが12月半ばと遅かったため、燃料メーカーやガソリンスタンドの対応が間に合わないことが背景にある。

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E10の製造に向け製油所は生産設備を調整しなければならない。ガソリンスタンドも「E10」と表記した看板の導入のほか、レジシステムのソフトウエアの変更も行わねばならず、業界最大手のAralは1月末にならないと販売体制が整わないとしている。競合シェルは第1四半期中に発売できるとの立場だ。

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E10の販売は欧州連合(EU)指令(2009/30/EG)に基づくもので、二酸化炭素(CO2)の排出削減を狙っている。ただ、一部の車両では同燃料を利用するとエンジンが痛む恐れがあり、ドイツでは登録されている車両のおよそ10%が該当するもよう。このため全ドイツ自動車クラブ(ADAC)などはドライバーに対し、製造元の自動車メーカーやディーラー、修理事業者に問い合わせるよう呼びかけている。以前から販売されているエタノール5%混合ガソリン「E5」については少なくとも2013年まで給油できる。

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