欧州経済の中心地ドイツに特化した
最新の経済・産業ニュース・企業情報をお届け!

2011/1/5

経済産業情報

家具製造業界、中国からの輸入増に懸念

この記事の要約

ドイツの家具製造業界が輸入家具との競争に苦戦しているようだ。特に中国製の安価な製品は需要が急速に伸びており、悩みの種となっている。独家具製造業連盟(VDM)のディルクウヴェ・クラース会長への取材などをもとに12月28日付 […]

ドイツの家具製造業界が輸入家具との競争に苦戦しているようだ。特に中国製の安価な製品は需要が急速に伸びており、悩みの種となっている。独家具製造業連盟(VDM)のディルクウヴェ・クラース会長への取材などをもとに12月28日付『フランクフルター・アルゲマイネ』紙が報じた。

\

ドイツ市場を席巻するのは中国製の布張り家具。製造工程で手作業が多いため、人件費の安い中国の製品は価格競争力が高い。格安家具販売チェーンのPoco-Domaene、Roller、Segmuellerなどがプライベートブランドで販売する製品の多くは中国製とみられる。中国からの家具輸入額は2010年に10億ユーロを超え、2012年にはポーランドを抜いて最大の輸入先国となる見通し。

\

こうした傾向を受け、業界の就労者数は減少を続けており、昨年は初めて10万人を切った。10年前に比べると5万人少ない。

\

そうしたなか、キッチン家具メーカーは好調を保っている。ドイツ製品のブランド力が国外で高いためで、中国などのアジア諸国ではステイタスシンボルになっているという。業界最大手Nobiliaの中国向け輸出は09年時点で8,000セットに達した。独キッチン家具メーカーの売上高は約85億ユーロで、家具業界全体(約19億ユーロ)の45%を占める。

\