11月末から続く寒波と大雪による交通の混乱で、物流業界が打撃を受けている。独運送・ロジスティクス産業連盟(DSLV)によると、多くの会員企業で貨物輸送量が例年に比べ20%以上減少した。独運送業者全国連盟(BGL)は、トラックが雪や路面凍結などで1日立ち往生すると平均2,400ユーロの損失が発生すると指摘する。12月31日付『ヴェルト』紙が報じた。
\トラック横転などの事故による交通渋滞を回避するため、独ノルトライン・ヴェストファーレン州とベルギー、北フランスを結ぶ道路の一部で7.5トン以上のトラックが一時、通行禁止になったことは追い打ちとなった。小型トラックを持たず振替輸送ができない業者では、最大10万ユーロ以上の損失が出たという。
\小売店への配送は一部で納入に遅れが出ているものの、商品棚が空になるといった事態はこれまでのところ起きていない。一方、オンラインショップや宅配便業者は、所定の期日内に商品を配達できないという問題に直面している。
\オンライン小売大手アマゾンと提携するドイツポスト(DHL)は、クリスマスイブまでの配達保証がついていたエクスプレス便で同日までに配達できなかった荷物を翌25日の午前に配達した。クリスマス当日に小包配達を行ったのは今回が初めてという。
\売り上げの半分近くを通販に頼るアウトドア用品小売業界も深刻な影響を受けた。欧州最大手Globetrotterのオンラインショップには予定通りに商品を受け取れなかった顧客からの苦情のコメントが急増、同社の担当者は「ショップへの信頼に傷がつきかねない」と懸念を示した。
\スムーズな交通の実現に欠かせない道路の除雪・凍結防止作業に関しては、州によって取り組みが異なるようだ。BGLの関係者は、「バイエルンやヘッセン、バーデン・ヴュルテンベルクなど南ドイツでは路面状況が比較的良好だが、ニーダーザクセンやハンブルク、ノルトライン・ヴェストファーレンなど北部の州は除雪作業が概して不十分」と批判。交通の混乱がこのまま続けば、北ドイツの小売店で品薄が起こりかねないとして、早期の対応を促している。
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