自動車大手の独Opelは5日、会社形態を同日付で有限会社(GmbH)から株式会社(AG)へと変更したと発表した。株式会社となるのは5年ぶり。従業員と労組は昨年9月に経営再建計画を承認した際、株式会社に戻すことを経営陣に確約させており、今回これが履行された格好だ。
\Opelは2005年12月、会社形態を株式会社から有限会社に変更した。親会社の米GeneralMotors(GM)は当時、事業のグローバル化に向け世界的な組織再編を進めており、Opelを法的手続きが簡単な有限会社とすることで、GMグループ内での協業をスムーズ化することを目指した。
\一方、従業員の間にはGMの経営戦略や能力に対する不信感が以前から根強く、Opelの経営再建をめぐる交渉では株式会社化を譲れない条件として提示していた。今回の措置によりGMからの独立性が高まることを期待する声は強く、従業員を代表するクラウス・フランツ事業所委員長は「従業員の共同決定権が特に製品・投資計画の分野で強まり、企業としての透明性も高まる」との認識を示した。
\株式公開(IPO)の予定はなく、Opelは今後もGMの完全子会社にとどまる。
\Opelのニック・ライリー社長は株式会社化に必要な資金をGMが提供したことに感謝の意を示した。6日付『フランクフルター・アルゲマイネ』紙によると、GMはOpelに対し資本金数百万ユーロを供給したもようだ。
\