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2011/1/12

経済産業情報

住宅建設業界が回復

この記事の要約

ここ数年低迷していた住宅需要が急速に回復している。独建設業全国連盟(HDB)の広報担当者は『南ドイツ新聞』(SZ)に対し、国内住宅建築業界の2010年売上高が前年比で5~6%拡大し、2006年以来の伸び率になったとの見方 […]

ここ数年低迷していた住宅需要が急速に回復している。独建設業全国連盟(HDB)の広報担当者は『南ドイツ新聞』(SZ)に対し、国内住宅建築業界の2010年売上高が前年比で5~6%拡大し、2006年以来の伸び率になったとの見方を明らかにした。景気回復や失業率低下、低い住宅金利が追い風となっており、今年も引き続きプラス成長が見込めるとしている。

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ドイツ経済の回復に伴い失業懸念が弱まり、賃上げ圧力も高まったことで、不動産や大型耐久消費財などの購入に前向きな人が増えてきた。また、住宅ローン金利が一時、過去最低の水準まで下がったことなどを受け、これまで持ち家などの建築に消極的だった社会層でも関心を持つ人が増えている。

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業界関係者の多くは、住宅ローン金利が今後数カ月で大きく上昇すると予測するものの、「景気回復や雇用情勢に影が差さないかぎり、金利上昇が住宅需要回復の足かせとなることはない」と先行きを楽観している。

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ただ、住宅着工規模が過去4年で約40%減少したうえ、2010年の売上成長率が2006年実績を下回っているなどの事情もあり、HDBは過度の期待を戒めている。住宅数が一定水準を保つには、「年20~30万戸の新築住宅が必要だが、過去数年の着工数は20万戸を割り込んでいる」という。

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