特許薬の価格取り決めに関する法令(AMNOG)が1日ドイツで施行された。同法令は新薬の価格をメーカーが一方的に決定できるこれまでの方式を、健保との交渉によって取り決める方式へと改めるもので、膨張の一途をたどる医療費の抑制が狙い。第1号としてアストラゼネカの抗血栓症薬「ブリリック(薬効名:チカグレロル、米商品名:ブリリンタ)の査定が開始された。独特許薬業界団体VFAによると、今後数カ月でおよそ100種類の新薬が査定の対象となる見通し。
\AMNOGでは(1)2011年1月以降に発売された新薬について、メーカーが臨床データを提出する(2)第3者機関の「保健衛生制度における品質・経済性研究所」(IQWiG)が薬の効能を審査(3)既存薬より治療効果が高いと判断された新薬については、メーカーと公的健保が交渉で薬価を決定。薬効が認められない医薬品については効果が同等の既存薬が薬価の上限とされる(4)交渉が1年以内にまとまらない場合は調停機関が薬価を提案(5)当事者が調停案に同意しない場合はIQWiGが最終決定する――という手順を踏んで薬価を制定する(図参照)。
\審査第1号となったアストラゼネカのブリリックは今月3日に発売された。昨年12月3日の時点で欧州連合(EU)の欧州委員会から販売承認を受けており、AMNOG施行前の市場投入も可能だった。これについて同社の担当者は「これはわが社だけの問題ではない。製薬業界全体の問題だ」として、あえて施行後に発売することを決定したと話す。
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