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2011/1/12

経済産業情報

一般世帯の金融資産、2年連続で拡大 保険と預金が増加

この記事の要約

ファンド大手アリアンツ・グローバル・インベスターズ(AGI)がドイツ連邦銀行(中銀)のデータなどを利用して作成したレポートによると、国内一般世帯の金融資産額は昨年、前年比4.7%増の4兆8,800億ユーロとなり、2年連続 […]

ファンド大手アリアンツ・グローバル・インベスターズ(AGI)がドイツ連邦銀行(中銀)のデータなどを利用して作成したレポートによると、国内一般世帯の金融資産額は昨年、前年比4.7%増の4兆8,800億ユーロとなり、2年連続で拡大した(グラフ1を参照)。貯蓄率の上昇と株式市場の回復が資産拡大の主な要因で、金額ベースでは2,200億ユーロ積み上げられた。1人当たりの金融資産額は09年末から約3,000ユーロ増え、5万9,900ユーロに達している。

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金融資産の増加額2,200億ユーロのうち約1,500億ユーロは預金や保険が占めた。株式などの評価益は約700億ユーロに上る。

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貯蓄率は前年の11.1%から11.3%へと上昇した。可処分所得が2.6%増えたほか、就労人口が増えたことが背景にある。

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ドイツ人の資産運用に目を向けると、リスクを伴う株式などが減り安全な預金と保険が増えていることが分かる。運用分野の内訳を2000年と比較すると、債券の割合は34.8%から27.9%へと7.1ポイント低下。一方、保険は4.1ポイント増の28.7%、預金も2.7ポイント増の37.8%へと拡大した。(グラフ2を参照)

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預金ではリーマンショックが発生した08年9月以降、いつでも引き下ろせる流動性預金が増え、定期性預金からは資金の流出が続いている。低金利で定期性預金の魅力が弱まっていることが背景にある。

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