再保険大手Muenchener Rueckの元請部門Ergo(デュッセルドルフ)は14日、中国・山東省の公有企業Shandong Stateowned Assets Investment Holding Company(SSAIH)と生命保険の合弁会社を設立することで合意したと発表した。事業の国際化に向けアジア市場の開拓を進める戦略の一環で、同社はベトナムの損害保険会社 Global Insurance Company(GIC)に25%出資することも明らかにした。
\Ergoは3年ほどまえに北京に駐在員事務所を設置し、現地市場の調査を実施。これによって得られた知識をもとにSSAIHと事業・販売モデルを構築し、今回の合弁設立にこぎつけた。出資比率は各社50%。新会社は当局の許可を受けてから設立する。
\事業地域は当面、山東省に限定する。同省は人口が9,200万人と多く、生保市場は過去5年間に年率24%のスピードで拡大しており、今後も急成長が見込まれている。Ergoは5年後の保険料収入で5,000万~7,000万ユーロを目標に掲げる。
\中国の生保市場は外資にとって開拓が難しく、合計のシェアは2007年の7%から09年には5%へと低下した。当局の規制や現地系保険会社の攻勢のほか、リスク管理が困難という事情が背景にあるという。
\ベトナムのGICは06年に設立された小規模な損保会社で、09年の保険料収入は約1,100万ユーロにとどまった。Ergoは同社が長期的に現地大手となることを支援する考え。ベトナムの損保市場は年率20%以上の成長が続いている。
\ヨッヘン・メスナー取締役(国外事業担当)によると、Ergoはインドでも生保分野の提携交渉を進めており、年内にも合意に至る見通しという。損保分野ではすでに同国の商業銀行HDFC-Bankと提携し、現地市場で5位に付けている。
\