製薬大手の独Boehringer Ingelheim(インゲルハイム・アム・ライン)は11日、糖尿病分野で同業の米Eli Lillyと提携したと発表した。両社が開発中の医薬品をそれぞれ2つ持ち寄り、共同開発・販売する計画。提携期間は約20年を予定している。
\Boehringerは後期開発段階にある糖尿病治療薬候補「Linagliptin」と「BI10773」、Eli Lillyは基礎インスリンアナログ「LY2605541」と「LY2963016」を持ち寄る。Boehringerによると、Linagliptinは年央にも欧州と米国、日本で販売が承認される見通し。
\両社は開発コストを等分に負担。提携の結果、いずれかの製品が承認に至った場合は、その製品の販売コストと粗利益も等分に負担・配分する。またそれぞれが提供した製品の売上に応じた支払いを受け取る権利を持つ。
\共同開発する医薬品はすべて年商が10億ドルを超える「ブロックバスター」となる公算が高いという。Boehringerのアンドレアス・バルナー社長は記者会見で、4つの医薬品がすべて販売にこぎつけた場合、2020年には合計の年商が100億ユーロに達するとの見方を示した。
\Boehringerは糖尿病分野に参入したばかり。このため同分野で90年の歴史を持つEli Lillyとの提携は販売の大きな追い風となる。一方、Eli Lillyは糖尿病治療薬の特許切れで売り上げの大幅減が予想されるため、今回の提携でその穴を埋める意向だ。
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