欧州印刷業界2位の独Schlott(フロイデンシュタット)は18日、同社と国内の全子会社が会社更生手続きの適用をニュルンベルク区裁判所に申請したと発表した。経営再建に向け続けてきた投資家との出資交渉が14日に決裂したうえ、17日には債権銀行団から新規融資を拒否されており、資金繰りに行き詰った格好だ。取締役会は更生手続きの適用を受けながら再建を進める意向を示している。
\同社は2009年に再建プログラムを開始し、従業員を500人削減したほか、印刷能力も引き下げた。だが、業績回復は進んでおらず、09年10月~10年6月期(9カ月期)には最終損失2,700万ユーロを計上。昨年6月末時点の銀行債務は1億8,500万ユーロに上った。
\経営不振の背景には業界全体の過剰施設と極端な価格競争がある。Schlottは「12月はほぼフル稼働状態だったが、利益が出ていない」と苦しい事情を説明した。インターネットの普及でカタログや雑誌の需要が減っていることが響いている。09年に清算された通販大手Quelleのカタログ印刷を引き受けてきたことも追い打ちとなった。
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