自動車大手の独Volkswagen(VW、ヴォルフスブルク)が中国市場向けブランドの立ち上げを検討している。現地需要をこれまで以上に掘り起こすにはVWグループの既存ブランドよりも低価格のモデルを投入する必要があるうえ、中国政府がローカルブランド車の販売比率を引き上げる方針を打ち出しているためだ。中国事業を統括するカールトーマス・ノイマン氏への取材をもとに19日付『ハンデルスブラット』紙が報じた。
\中国向けブランドは市販価格8,000ユーロ未満のモデルを想定している。ターゲットとするのは、VWがこれまで同国で販売してきたVW、Audi、Skodaの3ブランドに手の届かない所得層だ。中国の中小都市では市民の所得水準が大都市の上海や北京に比べて低く、これらの市民を顧客として取り込むには低価格車の投入が欠かせないという事情が背景にある。スポーツ用品大手のAdidasも先ごろ打ち出した同国中小都市への出店戦略のなかで、商品の最低価格を15%引き下げる考えを明らかにした。
\中国政府は自動車販売に占めるローカルブランド車の割合を2015年までに現在の30%から40%へと引き上げる考え。VWはこれも踏まえて今回の方針を打ち出した。
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