今年は新規株式公開(IPO)の件数が大幅に増加する見通しだ。株価が安定するなどIPOに適した市場環境が整ってきたためで、市場関係者は昨年の5件から2倍以上に増加するとみている。証券関係者への取材をもとに1月28日付『フランクフルター・アルゲマイネ』紙が報じた。
\2010年は当初、IPOが活発化すると予想されていた。だが、上半期に株価が乱高下したため、多くの企業が市場デビューを延期。大型上場もBrenntag(化学物流)、Kabel Deutschland(ケーブルテレビ)の2件にとどまった。両社の上場規模はそれぞれ約7億5,000万ユーロ。
\大手銀行USBの関係者によると、今年はIPOが少なくとも10件に達する見通し。コメルツ銀行とJPモルガンの投資銀行家は候補企業が15件あるとの見方を示した。保険大手のTalanxと海運大手のハパックロイドは上場規模が10億ユーロを超える公算が高いという。PO候補の多くは投資会社傘下の企業が多く、株式公開とならんで、他社への転売も検討されている。
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