連邦政府は2日の閣議で食品・飼料法の改正案を承認した。1月に起きたダイオキシン事件で、食の安全管理体制の不備が露呈したことに対応。今後は食品・飼料メーカーと民間の成分検査機関に検査結果の報告・通報を義務づける意向だ。改正法案は連邦議会と連邦参議院の決議を経て施行される。
\ドイツではHarles & Jentzsch社が製造した飼料原料に許容値を超えるダイオキシンが含まれており、同社の原料を使用した飼料のほか、食肉や鶏卵も汚染された。同社と成分検査機関は汚染の事実を少なくとも2010年3月の時点でつかんでいたものの、通報していなかった。政府はこれを問題視。有害物質の濃度が許容基準を超えていることを確認した成分検査機関に対し、今後は分析結果と分析方法、検査の委託主名を通報することを義務づける。また、食品・飼料メーカーには自社で行った品質チェックの結果を監督官庁に提出することを義務づける。
\政府はこのほか、◇有害物質の汚染を早期に把握できる体制の構築に向け、関連する監督当局が持つデータを共同のデータベースを作成して一元管理する◇州や連邦(国)の当局間のネットワークを強化する――ことも法案に盛り込んだ。
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