銀行大手の独Commerzbank(フランクフルト)が中小企業向け債権の証券化商品10億ユーロを発行した。リーマンショック後は同商品の販売を見合わせてきたが、資産担保証券(ABS)市場が徐々に回復しているため、大型発行へと踏み切った。資産管理会社や投資銀行が購入したという。同行関係者への取材をもとに4日付『ハンデルスブラット(HB)』紙が報じた。
\不動産や債権などの資産を担保に発行されるABSは金融危機を引き起こした経緯があり、リーマンショック後は市場が長く停滞していた。だが、最近は米国で回復が始まり欧州にも波及しており、自動車大手Volkswagen(VW)のリース子会社VW Leasingは債権を裏付けとするABSを欧州で販売している。HB紙によると、Deutsche BankとスイスのUBSは米国の商業不動産を担保とするABSを22億ユーロ発行する計画という。
\Commerzbankが今回発行したABSは格付け会社の評価を受けていない。格付け会社がレーティングモデルを見直し中で、客観性の高い評価を得られないためだ。同行はABSに客観的な評価を付与するために、「バーゼル2」の自己資本規制に基づいたモデルを利用して独自の格付けを行ったという。
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