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2011/2/9

経済産業情報

フェーマルン海峡横断プロジェクト、橋からトンネルに変更

この記事の要約

デンマーク議会はこのほど、独フェーマルン島とデンマークのロラン島を結ぶ道路建設プロジェクトについて、構造物の種類を当初計画の橋からトンネルに変更することを賛成多数で可決した。沈埋工法で全長18キロメートルのトンネルを敷設 […]

デンマーク議会はこのほど、独フェーマルン島とデンマークのロラン島を結ぶ道路建設プロジェクトについて、構造物の種類を当初計画の橋からトンネルに変更することを賛成多数で可決した。沈埋工法で全長18キロメートルのトンネルを敷設するというもので、橋梁建設よりコストが低いという。対岸の独シュレスヴィヒ・ホルシュタイン州政府も同案を支持しており、計画変更は確実とみられる。

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フェーマルン海峡横断プロジェクトは、フェーマルン島のプットガルデンとロラン島のレズビュを結ぶ道路を建設するというもので、ドイツとデンマークは2007年、両島間に橋を架けることで合意。翌08年に建設に向けた条約を締結し、09年には両国が条約を批准した。費用のほぼ全額をデンマークが負担する。

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デンマークが橋梁建設に背を向けたのは安全性に懸念があるためだ。当該の区間は船舶の通行量が多く、年4万隻が航行。2030年には船舶通行量が現在の倍に拡大する見通しで、橋ができると大型船の通行に制限が出るほか、船舶が橋に衝突する事故が起こる恐れもある。

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沈埋トンネルは海底に予め穴を掘り、ケーソン(沈埋函)と呼ばれる地下構造物を沈めて建設したトンネル。デンマーク側の発表によると、海上に橋をかけるよりコストが小さいほか、環境への影響も軽減できるという。完成すれば世界最長の沈埋トンネルとなり、開通によってハンブルク~コペンハーゲン間の道路の所要時間は現在の4時間半から1時間短縮される。

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デンマークは2013年の最終決議を経て14年から工事に入り、2020年の開業を目指す。

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