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2011/2/9

経済産業情報

農業の大型化進む、平均耕地面積が3年で8%拡大

この記事の要約

ドイツの農家の経営規模が大型化している。連邦統計局によると、2010年の耕地面積は一戸平均56ヘクタールとなり、07年の52ヘクタールから8%増加した。農業経営の維持が厳しいほか、農業従事者の高齢化が進んでいることが背景 […]

ドイツの農家の経営規模が大型化している。連邦統計局によると、2010年の耕地面積は一戸平均56ヘクタールとなり、07年の52ヘクタールから8%増加した。農業経営の維持が厳しいほか、農業従事者の高齢化が進んでいることが背景にあり、ノイブランデンブルク大学のグドルン・マーラオ教授は『ヴェルト』紙に対し、経営の大型化は今後も続くとの見方を示した。

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平均耕地面積が拡大したのは、農業をやめる世帯が後を絶たないためで、農家の数は昨年、30万700戸となり、07年に比べ7%減少した。一方、耕地面積はほぼ横ばいの1,680万ヘクタールを維持しており、廃業した農家が他の農家に農地を売却ないし賃貸していることがうかがわれる。

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独農業従事者連盟(DBV)によれば、農家の年間所得は一人平均2万2,000ユーロで、月当たり1,830ユーロ。農業だけでは生計が立たない世帯は多く、およそ3分の1は風力・太陽光発電や林業、企業勤務などの副業を持っている。農業は仕事が厳しい割には収入が少ないため、若い世代が後を継がないケースは多い。

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統計局の調査ではこのほか、有機農家が急速に増えていることも分かった。農家全体に占める割合は5%と少ないものの、その数は07年比14%増の1万6,200戸へと拡大した。有機食品産業連盟(BOELW)の関係者はヴェルト紙に対し、食品市場に占める有機食品のシェアが中期的に20%に拡大するとの見方を示した。ダイオキシン汚染などの食品スキャンダルが後を絶たないことが追い風になるとしている。

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