ドイツ連邦統計局が9日発表した2010年の輸出高は前年比18.5%増の9.519億ユーロとなり、1974年以来36年ぶりの大幅成長を記録した。新興国の旺盛な需要が輸出依存度の高い同国の追い風となった格好で、ライナー・ブリューデルレ経済相は「ドイツ経済は他国よりも早く危機から脱した」との見方を示した。輸入高は20.0%増の7,976億ユーロ。貿易収支の黒字幅は前年の1,387億ユーロから1,543億ユーロ、経常黒字も同1,199億ユーロから1,299億ユーロへと増加した。
\輸出は中国、ブラジル、インドなど欧州連合(EU)域外向けが26.0%増の3,812億ユーロと大きく拡大。一方、足元のEUは14.0%増の5,706億ユーロと伸び率が低く、ユーロ加盟国向けは12.7%増の3,862億ユーロにとどまった。
\輸入もEU域外からが好調で、24.7%増の2,938億ユーロを記録した。EUは17.5%増の5,038億ユーロ、ユーロ圏は16.7%増の3,555億ユーロ。
\一方、12月の輸出高は前年同月比21.0%増の817億ユーロ、輸入高は同26.8%増の698億ユーロで、貿易黒字は前年同月の125億ユーロから119億ユーロへと縮小した。輸出入ともにEU域外の伸び率が大きい。経常黒字は176億ユーロで、前年同月の192億ユーロから減少した。
\独卸売・貿易業者連盟(BGA)によると、今年は輸出高が7%増加し、初めて1兆ユーロの大台に乗る見通し。アジアのほか米国向けがけん引車となる。欧州は財政悪化国の景気低迷と財政再建が足かせとなり、伸び悩む。
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