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2011/2/16

ゲシェフトフューラーの豆知識

育休取得で雇用主に拒否権なし

この記事の要約

育児休暇は子供の出生後、最大3年間取得できる。これは育児手当・休暇法(BEEG)15条1項第1文に明記された決まりである。では、被用者が育休を例えば2年間と申請したあと、さらに1年間延長したい場合に雇用主の承諾を得る必要 […]

育児休暇は子供の出生後、最大3年間取得できる。これは育児手当・休暇法(BEEG)15条1項第1文に明記された決まりである。では、被用者が育休を例えば2年間と申請したあと、さらに1年間延長したい場合に雇用主の承諾を得る必要はあるのだろうか。今回はこの問題をデュッセルドフル労働裁判所が昨年9月に下した判決(訴訟番号:4 Ca 4023/10)に即してお伝えする。

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裁判を起こしたのはリース会社のデュッセルドルフ支店に勤務する女性社員。2006年6月に第1子が誕生したため、08年6月10日までの2年間、育休を取得した。さらに08年6月8日に第2子が生まれたため産休と有給休暇を取得したのち、08年8月14日~10年8月13日の2年間、育休を申請した。

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その後2010年3月になって会社側に育休の終了後は週4日24時間勤務で仕事に復帰したい旨を伝達したところ、フルタイムのポストしか提供できないとの回答があったため、育休期間を第2子が3歳になる前日の2011年6月7日まで延期することを申請。これが拒否されたため提訴した。

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デュッセルドルフ労裁が下した判決は原告勝訴である。判決理由で裁判官は、原告社員に育休延長申請手続き上の誤りがないことを指摘。そのうえで、出生から3年以内の育休取得であれば、雇用主はいかなるケースでも拒否することができないとの判断を示した。

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なお、育休期間の一部(最大1年)を出生後3年以降に持ち越す場合については、雇用主の承諾が必要となることがBEEG15条1項第4文に定められている。

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