スウェーデンのトラック大手Scaniaが同業の独MANを買収するとの観測が再浮上してきた。22日付『フランクフルター・アルゲマイネ(FAZ)』紙が報じたもので、買収計画が今春にも公表される可能性があるとしている。同観測は昨年11月にも浮上したが、両社はその際、買収交渉の有無を明らかにしていない。今回もコメントを控えている。
\Scaniaは欧州自動車最大手Volkswagen(VW)の子会社で、VWはScaniaの資本46%強、議決権付き株式71%を保有する。VWはMANにも30%弱を出資しており、商用車分野で3社の協力関係を密接化し最大10億ユーロのシナジー効果を引き出したい考え。昨春にはVWの圧力を受けてScaniaとMANが提携交渉を開始しており、市場ではScaniaがMANを買収するとの観測が強い。
\FAZ紙は買収観測の根拠として、MANが2010年決算発表と株主総会を延期したことを挙げた。背景にはアブダビの国営投資会社Ipicに売却した産業サービス子会社Ferrostaalの贈賄事件にからむ推定2億ユーロの制裁金負担をめぐる争いがある。この問題が解決されないと2010年決算が確定せず、ScaniaによるMAN買収も具体化できないという。
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