欧州経済の中心地ドイツに特化した
最新の経済・産業ニュース・企業情報をお届け!

2011/2/23

企業情報

AGT International―独事業を本格化―

この記事の要約

スイスの情報技術大手AGT(チューリヒ)がドイツ事業を本格化させる。ダルムシュタットに研究開発施設を設置するほか、ベルリンを拠点に官公庁から受注を獲得する考えだ。独子会社のルッツ・ホイザー社長が経済紙『ファイナンシャル・ […]

スイスの情報技術大手AGT(チューリヒ)がドイツ事業を本格化させる。ダルムシュタットに研究開発施設を設置するほか、ベルリンを拠点に官公庁から受注を獲得する考えだ。独子会社のルッツ・ホイザー社長が経済紙『ファイナンシャル・タイムズ(ドイツ版、FTD)』に対し明らかにした。

\

同社は国境管理や入退出管理、自然災害時の危機対策ソフトなどセキュリティ分野に特化したIT企業で、主に官公庁を顧客としている。軍向けの事業は行っていない。

\

設立は2006年と新しいものの、2010年の売上高は17億ドルに達した。受注残高は70億ドル。現在は顧客が中東とインドに偏り、欧米事業は競合のThales、EADS、Lockheed Martinなどに比べ弱い。このため今後は先進国で市場開拓を強化し、2015年までに受注残高を100億ドルに引き上げる計画だ。事業の拡大に向けてはIT企業の買収も実施する。

\

ドイツに研究開発拠点を設置するのは「メードイン・ジャーマニー」のブランド力を活用するため。また、ソフト大手SAPがある関係でIT専門家が多いことも決め手となった。マンハイムに白羽の矢を立てたのは研究機関と人材が豊富なためだ。新設する研究所では170人を雇用し、主に空港や駅、官庁、スポーツ施設向けの入退室管理システムを開発する。

\

独子会社は現在、売り上げを出していない。2013年までに1億ユーロを実現することを目標に掲げている。

\