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2011/3/2

企業情報

Porsche SE―VWとの経営統合に黄信号―

この記事の要約

高級車大手のPorsche(シュツットガルト)は2月23日、Volkswagen(VW)との経営統合手続きを年内に終了するとした当初計画が後にずれ込む可能性が出てきたと発表した。投機的な手法を用いてVWを買収しようとした […]

高級車大手のPorsche(シュツットガルト)は2月23日、Volkswagen(VW)との経営統合手続きを年内に終了するとした当初計画が後にずれ込む可能性が出てきたと発表した。投機的な手法を用いてVWを買収しようとした同社の旧経営陣に対する検察の捜査が年末までに終了しないことが確実となったためだ。Porscheによると、捜査が大幅に長引いた場合は経営統合そのものがとん挫する恐れもあるという。

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Porscheは2005年にVW株を20%弱取得。その後、出資比率を高めていき、09年1月に51%を確保し子会社化した。さらに75%超の取得を目指したが、投機が裏目に出て財務が悪化したため、逆にVWグループの傘下入りすることになった。これまでの合意では両社は2011年中に経営統合手続きを終了することが取り決められている。

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Porscheに対しては米国で株主訴訟が起こされているほか、ドイツでもシュツットガルトの検察当局が捜査を進めている。こうした問題が解決される前にVWがPorscheの経営統合を強行すると、VWは投機に伴うPorscheの巨額損賠リスクを引き受けることになるため、捜査が長引くほど計画実現も遠のいていく。

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