Siemensの照明製造子会社Osram（ミュンヘン）は2月28日、独同業のSiteco Lighting GmbHを投資会社Barclays Private Equity（BPE）から買収すると発表した。製品の種類や販売網を強化する狙い。取引金額は明らかにしていないが、メディア報道によると、1億ユーロを超えるもようだ。Siemensは近い将来、Osramを放出するとみられており、今回の取引は同子会社の株式公開（IPO）に向けた布石の可能性もある。
\SitecoはSiemensの旧子会社で、1997年に投資会社JP Morgan Partnersが買収。2007年にBPEに転売された。ドイツと中国に工場を持ち、世界に販売網を張り巡らしている。ミュンヘンのサッカー場Allianz Arenaやマドリード・バラハス国際空港、台北101タワーの照明システムを手がけた実績を持つ。従業員数は1,250人で、2010年の売上高は約2億2,000万ユーロ。営業利益を計上しているという。
\Osramは一般消費者向け事業の比率が高く、インフラ・医療機器事業への集中を進めるSiemensの経営方針に合致していない。現在は好景気で高い売却益を見込めることもあり、市場関係者はOsram放出の時期が近いとみている。Osramは照明の世界最大手メーカーで独禁法上の規制から競合企業に売却するのが難しく、IPOは最も適切な措置なようだ。
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