独写真産業協会(PIV)は2月21日、国内写真・映像関連機器市場(消費者向け)の2010年売上高が66億ユーロとなり前年比で5%以上拡大したと発表した。消費者の上級志向の高まりや、昨年9月の写真・映像見本市Photokina(ケルン)がプラスに働いた。
\デジタルカメラの販売台数は865万台で、前年に比べ1.05%増加した。ドイツ人の1割が購入した計算。消費者は3~5年ごとに買い換えているという。売上高は同15%増の19億6,400万ユーロと、販売の伸び率を大きく上回った。コンパクトカメラに比べて高額な一眼レフカメラ・(交換レンズ式)システムカメラの販売が6.7%増の96万台に拡大したことで、売り上げが押し上げられた格好だ。デジタル一眼などの販売が増えた背景には消費者の本格化志向があり、システムカメラの購入者は主にコンパクトカメラからの買い替え組が占めた。
\カメラ販売の好調に並行してアクセサリーの需要も高まっており、レンズは販売数が7.7%増の142万本、売上高が5.2%増の4億500万ユーロに拡大した。消費者は品質を重視するようになっており、三脚は販売台数が5.8%減の71万1,000台へと落ち込んだにもかかわらず、売上高は19.3%増の3,090万ユーロと大幅に伸びた。
\プロジェクターは販売台数が35%増の47万台、売上高が同17.5%増の3億5,200万ユーロと好調だった。映写ブームが追い風となっている。一方、デジタルフォトフレームは販売台数(12%減の150万台)と売上高(21.6%減の9,400ユーロ)がともに減少。これに代わる画像閲覧の手段としてタブレットPCやスマートフォンの人気が高まっている。
\写真の印刷需要は衰えておらず、プリント枚数は470億万枚に達した。ポスター、キャンバスプリント、壁紙、タイル、アルミ複合版などにも印刷できるようになったことが大きく、フォトブックの販売も9.6%増の5,700万冊に拡大した。こうした傾向のしわ寄せで、これまで主流のインクジェット紙・感熱紙(150グラム以上)の販売は10%減の342万パック、売上高は9.3%減の3,900万ユーロへと落ち込んだ。
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