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2011/3/2

経済産業情報

製紙業界2010年売上17%増に、原料高で値上げの機運

この記事の要約

ドイツ製紙事業者連盟(VDP)が2月23日の年次記者会見で発表した2010年の業界生産・出荷高は2,320万トンとなり、前年から10%増加した。輸出が好調だったほか、国内販売も増加。経済危機前の08年の水準を上回った。売 […]

ドイツ製紙事業者連盟(VDP)が2月23日の年次記者会見で発表した2010年の業界生産・出荷高は2,320万トンとなり、前年から10%増加した。輸出が好調だったほか、国内販売も増加。経済危機前の08年の水準を上回った。売上高は17%増の144億ユーロと生産高を上回る伸びを記録している。ただ、原料費が急速に上昇しているため、メーカーは利益を圧迫されており、業界では大幅値上げの機運が高まっているようだ。

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製品別では包装用紙が特に好調で、生産高は13%増加し08年実績を上回った。グラフィック用紙は同10%増、衛生用紙は6%増。09年に激減した特殊用紙は15%回復した。

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輸出は15%伸びた。中国と南米向けがけん引車となり欧州域外向けが27%増加したほか、東欧向けも20%増と好調だった。西欧向けは11%増、国内販売は6%増と伸び率がやや小さい。

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原料となるセルロースの価格は昨年、約70%上昇した。古紙の値上がり幅も80%と大きい。スターチの価格は昨秋、わずか数週間で2倍に膨らんでおり、製紙会社の自助努力では値上がり分を吸収できなくなっている。

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