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2011/3/2

経済産業情報

誘拐身代金保険の代理店登場

この記事の要約

ブレーメンの海上保険ブローカーLampe & Schwartzeが海賊・誘拐被害をカバーする保険の取り扱いを開始する。海賊や誘拐事件が世界的に多発し、海運会社など企業のニーズが高まっていることに対応。単に保険商 […]

ブレーメンの海上保険ブローカーLampe & Schwartzeが海賊・誘拐被害をカバーする保険の取り扱いを開始する。海賊や誘拐事件が世界的に多発し、海運会社など企業のニーズが高まっていることに対応。単に保険商品を契約者に紹介するブローカーとしてではなく、保険会社から契約締結の権限を与えられた代理店として業務を進める。経済紙『ハンデルスブラット』が消息筋の情報として2月24日付で報じた。

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積荷や身代金目当ての海賊の襲撃件数は2006年の239件から2010年には445件へと増加。人質の数は同188人から1,181人へと6倍以上に増えた(グラフ参照)。身代金額も上昇しており、業界推定では5年前の1人=数十万ユーロから現在は500万ユーロ以上に跳ね上がっている。

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海賊・誘拐関連の保険は、実際に襲撃に遭った際の保険金支払い額は高いものの、保険料が高額なほかニーズが増えていることから市場の将来性も高い。航行ルートや船舶の種類によって異なるが、保険料は1航海につき1万~4万5,000ユーロに上る。特にリスクが高いルートの保険料は過去数年で10倍に高騰したとされる。

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ただ、保険契約企業や保険料収入の規模が分かると「身代金が取りやすい」「この額までは要求できる」として襲撃のターゲットにされる可能性が高まるため、保険会社はデータの公表を避けている。Lampe & Schwartzeも取り扱う保険の販売元について「保険会社数社からなる連合」とするのみで、具体名を明らかにしていない。

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