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2011/3/9

ゲシェフトフューラーの豆知識

勤怠記録の不正は即時解雇に

この記事の要約

勤怠記録(出勤、退勤時間などの記録)に虚偽の時間を書き込み即時解雇された社員がその取り消しを求めて起こしていた裁判で、シュレスヴィヒ・ホルシュタイン州労働裁判所は昨年10月、原告の訴えを退ける判決(訴訟番号:6 Sa 2 […]

勤怠記録(出勤、退勤時間などの記録)に虚偽の時間を書き込み即時解雇された社員がその取り消しを求めて起こしていた裁判で、シュレスヴィヒ・ホルシュタイン州労働裁判所は昨年10月、原告の訴えを退ける判決(訴訟番号:6 Sa 293/10)を下した。判決理由で裁判官は、重大な不正行為により原告社員に対する雇用主の信頼は著しく損なわれたと指摘。即時解雇は妥当だとの判断を示した。

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原告は運輸会社で小包配達員として勤務していた40歳代の社員。同社では出勤時間と配達開始・終了時間、退勤時間を分単位で正確に記入することが義務づけられ、各社員は紙の勤怠記録に手書きで書き込む決まりとなっている。

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原告社員は2009年9月下旬から10月上旬にかけて計3日、勤怠記録に虚偽の時間を記入していた。この事実を知った雇用主は10月15日付の文書で即時解雇を通告。原告は解雇に値するほどの違反は行っていないとして提訴した。

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第1審のフレンスブルク労働裁判所は原告の訴えを棄却。第2審のシュレスヴィヒ・ホルシュタイン州労裁も同様の判決を下した。州労裁の裁判官は判決文のなかで、実際の退勤時間と社員が書き込んだ退勤時間が30分以上ずれていれば、過失でなく意図的な行為とみなされると指摘。即時解雇は妥当だと言い渡した。連邦労働裁判所(BAG)への上告は認めなかった。

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