ベアリング大手のSchaeffler(ヘアツォーゲンアウラハ)は28日、銀行に信託管理を委ねているContinental(自動車部品)株の一部を市場に放出した。売却益で債務を圧縮。事業資金を拡大する意向だ。
\Schaefflerは2008年8月、Continental株を計49.9%取得し実質買収することで合意。株式公開買い付け(TOB)を実施した。TOBで確保した株式が49.9%を超えた場合は超過分を放出する取り決めとなっていたが、リーマンショックで株価が下落したため、放出できずに銀行に管理を委ねていた。また、TOB費用を銀行融資でまかなったため、巨額の債務を抱え込んでいた。
\Continentalの株価が簿価(1株当たり63ユーロ)に近い水準まで回復したため、Schaefflerはプライベートバンク2行に預けていたContinental株のうち15%に相当する2,970万株を1株当たり60ユーロで放出した。また、債務の一部を事業会社Schaeffler GmbHに移管するなどの措置も実施した。これらの措置により、同社の有利子債務は74億ユーロから46億ユーロへと減少し、年利も従来の最大17%から10%未満に低下したという。Schaefflerはこのほか、2行が預かるContinental株のうち1,550万株を取得し、出資比率を従来の42.2%から49.9%へと引き上げた。
\今回の措置により、Schaefflerが直接・間接的に保持するContinental株は75.1%から60.7%へと低下。Continentalは浮動株比率が24.9%から39.7%へと上昇し、DAX(ドイツ株価指数)に復帰する可能性が高まっている。
\Schaefflerは同日、有限会社のSchaeffler GmbHを年内に株式会社(AG)化する意向も表明した。
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