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2011/3/30

企業情報

―シャープとの事業協力強化へ―

この記事の要約

高級テレビメーカーのLoewe(クローナハ)は24日の決算発表で、筆頭株主のシャープと事業協力強化に向けて協議していることを明らかにした。部品の共同開発やマーケティングなどで協力。昨年悪化した業績の立て直しを目指す。\ […]

高級テレビメーカーのLoewe(クローナハ)は24日の決算発表で、筆頭株主のシャープと事業協力強化に向けて協議していることを明らかにした。部品の共同開発やマーケティングなどで協力。昨年悪化した業績の立て直しを目指す。

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Loeweは薄型テレビの流行に乗り遅れて経営危機に陥ったことを受け、2004年にシャープの出資を仰いだ。シャープの出資比率は当初が8.9%で、翌05年に28.8%へと引き上げられている。Loeweは当時、シャープの協力を受け薄型テレビ分野の遅れをばん回、業績も回復させた。

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事業面での両社の協力関係はその後、弱まり、Loeweが調達するLED・液晶パネルに占めるシャープ製品の割合は現在、10%を下回っている。主な調達先はLGとサムスン電子の2社という。

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Loeweの2010年決算の最終損益は700万ユーロの赤字となり、前年の黒字(800万ユーロ)から大きく悪化した。赤字計上は5年ぶり。サッカー・ワールドカップ(W杯)に合わせて発売予定だった新製品の投入が遅れたことが響いた。売上高は5.2%減の3億730万ユーロで、営業損益(EBITベース)は前年の黒字(1,350万ユーロ)から530万ユーロの赤字へと転落した。今年は売上高で10%増の3億4,000万ユーロ、EBITで黒字転換を目指す。

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日本の震災に伴う部品供給の不透明感に関しては、数カ月後に影響を受ける可能性があるとの認識を示した。操短も視野に入れているという。

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