バイオ企業の独Evotec(ハンブルク)が24日発表した2010年決算の最終損益は298万5,000ユーロの黒字となり、前年の赤字(4,549万7,000ユーロ)から大幅に改善した。同社が利益を計上するのは1993年の創業以来初めて。経営リスク削減の取り組みのほか、製薬会社が製品開発のアウトソーシングを加速していることがプラスに働いた。売上高は前年比29%増の5,526万2,000ユーロで、営業損益は4,229万9,000ユーロの赤字から171万5,000ユーロの黒字へと転換した。
\同社のヴェルナー・ランターラー社長は『ファイナンシャル・タイムズ(ドイツ版、FTD紙)』に対し、臨床試験の最終段階に入るまで医薬品を単独で開発するというバイオ企業の従来の発想では事業が安定しないと指摘。同社は新薬候補の絞り込みサービスに特化することで開発リスクを回避しているとの立場を示した。
\今年は売上高で6,400万~6,600万ユーロを見込む。営業利益(評価損計上前)についても拡大を予想している。
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