後発医薬品大手の独Stada(バート・フィルベル)が年内にも東欧で最低1社を買収する計画だ。国内市場の先細りが予想されるためで、すでに3社を射程内に入れているという。同社のハルトムート・レツラフ代表取締役が3月30日、2010年通期決算記者会見で明らかにした。
\同社は東欧事業を強化し、売り上げに占める独市場のシェアを現在の32%から引き下げていく方針。ドイツでは公的健康保険が実施する後発医薬品の公開入札で最低価格を提供したメーカーが独占契約を結ぶルールが導入されたことを受け、メーカーの利益が減少傾向にある。
\独競合のRatiopharmが昨年、イスラエルのTevaに買収されたため、Stadaは国内唯一の独立系の大手後発医薬品メーカーとなった。これを受け、市場にはStadaが米PfizerやアイスランドのActavisに買収されるとの見方があるが、レツラフ社長は同観測を否定した。
\Stadaの2010年連結決算の営業利益(EBITDAベース)は前年比4%減の2億6,880万ユーロに縮小した。2006年に買収したセルビア子会社Hemofarmで評価損3,400万ユーロを計上したことや、収益力向上プログラムが影響。純利益は32%減へと6,840万ユーロ落ち込んだ。売上高は16億3,000万ユーロで、4%増加している。
\今後は東欧事業の拡大と並行して、従業員数を約800人削減する。これにより、2014年までに売上高を21億5,000万ユーロ、純利益を2億1,500万ユーロに拡大するとした目標を達成する意向だ。
\