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2011/4/6

経済産業情報

ハノーバーメッセに原発事故の影響、「再可エネへの転換」に関心集まる

この記事の要約

世界最大の産業見本市、ハノーバー国際産業技術見本市(ハノーバーメッセ)が4日、開幕した。今回は世界65カ国から前回(2009年)を300社以上上回る6,500社強が出展。発表された新製品・新技術も約25%増の5,000件 […]

世界最大の産業見本市、ハノーバー国際産業技術見本市(ハノーバーメッセ)が4日、開幕した。今回は世界65カ国から前回(2009年)を300社以上上回る6,500社強が出展。発表された新製品・新技術も約25%増の5,000件に達するなど、景気回復が鮮明に反映されている。日本から参加を表明した50社で地震や福島原発事故を理由に出展を取りやめた企業はなかったという。

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今年の見本市の関心は持続可能なエネルギーに集まっている。福島原発の事故をきっかけに太陽エネルギーや風力発電など再生可能エネルギーの関心が高まったことを受け、これをテーマに取り上げるフォーラムやディスカッションが増えた。また、3日の開会式で挨拶に立ったメルケル首相は、「工業技術が高度に発達した日本でさえ自然災害に伴う核の脅威を回避できなかった」と発言し、連邦政府が原発稼働期間の延長政策を凍結し、老朽原発7基の操業一時停止を決めたことの意義を強調。産業界と国民の双方に対し、再生可能エネルギーの早期の利用拡大に向けて取り組むよう呼びかけた。

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今回の見本市では出展企業数が増えたばかりでなく、シェフラー(ベアリグ)、マイクロソフト、KUKA(ロボット)、Schneider Electric(電気設備)など、他の見本市への参加などを理由にハノーバーメッセに背を向けていた企業400社以上が再び出展した。主催者ドイチェ・メッセのフォンフリッチュ社長は、同見本市が近年、サステナビリティ(持続可能性)やエネルギー効率改善技術関連のイベントとして重要性を増していることが評価されたとの見方を示した。

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