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2011/4/13

経済産業情報

国際規格への迅速な対応が競争力強化に=独規格協会

この記事の要約

独規格協会(DIN)は5日、ハノーバー国際産業技術見本市(ハノーバーメッセ)で年次記者会見を開催し、国際標準規格をめぐる動向を発表した。「欧州サービス市場の自由化」「エレクトロモビリティ(電気自動車)」「市民の安全に関わ […]

独規格協会(DIN)は5日、ハノーバー国際産業技術見本市(ハノーバーメッセ)で年次記者会見を開催し、国際標準規格をめぐる動向を発表した。「欧州サービス市場の自由化」「エレクトロモビリティ(電気自動車)」「市民の安全に関わる規格」の3テーマについて、国際標準に先んじることの重要性を強調。また、輸出産業が競争力を維持するには企業が規格策定に積極的に関与し、ドイツの技術が国際基準に採用・反映されるよう取り組む必要があると訴えた。6日付『フランクフルター・アルゲマイネ』が報じた。

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電気自動車をテーマとした発表では、フランスが国際標準に準拠した充電システムの認可を拒んでいる事例を紹介した。フランス電力公社(EdF)が導入した充電料金精算方式が同規格ではそのまま利用できないことが理由という。DINのトールステン・バーケ会長はこれを踏まえ、携帯電話で広く利用されている国際ローミング方式の採用を提案。それぞれの国の電力会社のサービス体系の違いにかかわりなく充電が可能になるとの考えを示した。

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全身スキャナーや生体認証、ITセキュリティ、災害防止など市民の安全にかかわる技術の規格については、米国が自国の規格を世界標準に採用させようとする動きを強めているとして危機感を表明。欧州諸国は今秋に開催予定の国際会議で、米国と対等の立場で協議を進め、欧州の利益を守るために一丸となって取り組む必要があると強調した。

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欧州サービス市場の自由化に向けた規格の統一では、自国の産業が打撃を受けるとしてドイツの手工業者が反対していることに触れた。バーケ会長は「我々が規格策定で後れをとれば他国に先を越され、不利益を被りかねない」と発言。国際規格、製品分野では規格がドイツメーカーの輸出力強化に少なからず貢献したとして、サービス分野でも積極的に取り組むよう呼びかけた。

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