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2011/4/13

経済産業情報

電気通信と電力でインフラ整備の強化を=ネットワーク庁

この記事の要約

電力、ガス、電気通信および鉄道市場を監督する連邦ネットワーク庁(BNetzA)は6日、2010年の年次報告書を発表した。それによると、国内の再生可能エネルギー生産能力は過去5年で2倍強の54ギガワットに拡大。ブロードバン […]

電力、ガス、電気通信および鉄道市場を監督する連邦ネットワーク庁(BNetzA)は6日、2010年の年次報告書を発表した。それによると、国内の再生可能エネルギー生産能力は過去5年で2倍強の54ギガワットに拡大。ブロードバンド通信におけるデータトラフィック量も前年(09年)比9%増の32億ギガバイトと大きく増加した。BNetzAのクルト長官はこれを踏まえ、「現在のインフラ状況では今後の需要増に対応できなくなる」と指摘。インフラ拡張が必要との見解を示した。

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再生可能エネルギーで最も大きな役割を担っているのは風力で、2009年の生産能力(2万5,350メガワット)は再可エネ全体の61%を占めた。発電量も全体の51%(3万8,328ギガワット時)と多い。風力発電の生産能力は2010年も拡大、同年4月には洋上風力発電パーク「Alpha Ventus」が正式に運転を開始し、第4四半期にも「Bard Offshore I」の一部で運転が始まった。

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ネットワーク庁は電力インフラについて、再生可能発電の拡大に対応するには2020年までに最大3,600キロメートルの高圧送電網を新設する必要があると指摘。そのうえで、建設を計画しながら経済性をめぐる議論を長々と繰り返し、着工に至らないプロジェクトも少なくないとして、業界に対し早期の解決を要請した。

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電気通信インフラの2010年の投資額は前年をわずかに下回る59億ユーロで、内訳は固定通信網が1億ユーロ減の39億ユーロ、移動通信網が前年並みの20億ユーロだった。一方で、モバイルデータ通信のトラフィック量は2倍の6,500万ギガバイトに急拡大しており、需要の拡大にインフラ能力が追い付かなくなる恐れがある。

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