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2011/4/13

ゲシェフトフューラーの豆知識

有期雇用契約の制限ルールで最高裁判断

この記事の要約

雇用主と被用者が結ぶ有期雇用契約は契約回数が複数にわたる場合でも合計の期間が最大2年に制限されている。これは「パートタイムと有期労働契約に関する法律(TzBfG)」14条2項第1文に明記されたルールで、雇用期間が計2年を […]

雇用主と被用者が結ぶ有期雇用契約は契約回数が複数にわたる場合でも合計の期間が最大2年に制限されている。これは「パートタイムと有期労働契約に関する法律(TzBfG)」14条2項第1文に明記されたルールで、雇用期間が計2年を超える場合は原則として正社員にしなければならない。

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また、同じ雇用主に以前、雇用されていた被用者については以前の雇用期間を新たな労働契約に反映させ、有期雇用期間の合計を2年以内に抑えなければならない(同項第2文)。これは2年間の雇用後に休止期間を置いて再び有期契約を結ぶという形で有期雇用が事実上、無制限に続くのを防ぐためである。

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この第2文の解釈について最高裁の連邦労働裁判所(BAG)がこのほど判断(訴訟番号:7 AZR 716/09)を提示したので、ここでお伝えする。

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裁判を起こしたのは2006年8月1日~08年7月31日(2年間)の有期契約で州に教員として採用されていた女性。この女性は学生時代の1999年11月1日~2000年1月31日の3カ月間、同州の補助職員として勤務していたため、教員としての有期契約の期間が2年に及ぶのは違法だとして提訴した。

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裁判では第1審と第2審が原告の訴えを棄却し、連邦労裁も下級審判決を支持した。判決理由で裁判官は、同じ雇用主の下における以前の雇用と新たな雇用の間隔が3年を超える場合は、雇用休止期間を悪用した有期雇用の無限継続に当たらないと指摘。原告のケースでは以前の雇用と新たな雇用の間に6年以上の間隔があるため、以前の雇用期間は新たな労働契約に反映されないとの判断を示した。民法では通常、3年で時効が成立することを根拠としている。

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