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2011/4/20

企業情報

Saargummi Deutschland―中国企業が買収へ―

この記事の要約

昨年秋に倒産した独自動車部品メーカーSaargummi Deutschlandの管財人は12日、同社を中国企業Chongqing Light and Textile(CQLT)に売却する契約が債権者委員会で承認されたと発 […]

昨年秋に倒産した独自動車部品メーカーSaargummi Deutschlandの管財人は12日、同社を中国企業Chongqing Light and Textile(CQLT)に売却する契約が債権者委員会で承認されたと発表した。今後、労働組合と債権銀行団が同意すると取引が成立する。ドイツの中堅以上の自動車部品メーカーが中国企業に買収されるのは今回で2社目。

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同社は防水性や気密性を確保するためのシーリングシステムを製造するSaargummi(ルクセンブルク)のドイツ子会社。事業再建に向けて取引銀行や自動車メーカーなどと協議してきたが合意できなかったため、経営破たんした。

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Saargummiは2007年、独投資会社Odewald & Cieに買収された。その際、買収コストを転嫁されたため財務が悪化し、これが経済危機とともにSaargummi Deutschlandの倒産の大きな原因となった。

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Saargummi Deutschlandの2010年売上高は約3億5,000万、従業員数は4,400人。ロイター通信によると、CQLTは同社を1億3,000万ユーロ強で買収するもよう。同社の買収にはCQLTのほか、インドのRuia、ポーランドのBoryszewも名乗りを上げていた。

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ドイツの自動車部品メーカーではカーエレクトロニクスのPrehが中国企業Joysonの傘下に入ることでこのほど、合意が成立した。メディア報道によると、独変速機メーカーのGetragにも中国の自動車メーカーDongfengが出資する方向で交渉を進めているという。

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