スイスの大手銀行Julius Baer(チューリヒ)は14日、顧客の脱税をほう助した疑いで同行を捜査していたドイツの当局と司法取引を結んだと発表した。捜査が長期化すると同行のブランドイメージが悪化すると判断。5,000万ユーロの支払いと引き換えに捜査の中止を取り付けた。
\ドイツの税務当局は昨年、スイスの銀行を利用して脱税してきた納税者の情報を買い取り、捜査を開始。これを受け、これまで脱税してきた市民が刑事罰を逃れるために数多く自主したため、当局は大量の脱税者情報を取得した。この結果、スイスの銀行が脱税をほう助してきた容疑が強まり、Julius Baerと同行の行員も捜査の対象となっていた。
\同行は今回の司法取引により、自行関連の捜査打ち切りを買い取った格好。ドイツはJulius Baerにとって最も重要な国外市場で、社員が逮捕される可能性があると、事業に支障をきたすという事情がある。ロイター通信によると、ボリス・コラルディ最高経営責任者(CEO)は同様の取引を他の国と行うことはないとの見通しを示した。
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