電子カルテ・レセプトシステムをはじめとするEヘルスの需要が拡大している。ベルリンで5~7日に開催された医療IT見本市では出展者が前年比2割増の241社、来場者も同3割増の4,500人へと拡大。欧州連合(EU)の欧州委員会は2010~14年の4年間で域内のEヘルス市場が1.5倍の376億ユーロに拡大すると予想している。特に有望なのは遠隔医療の分野で、独電気電子工業会(ZVEI)によると、国内市場は12年までに10年の3倍の14億ユーロへと成長する見通しだ。
\ドイツでは医療の電子化が遅れており、市場拡大の余地は大きい。ITコンサルティング・マーケティングの仏ピエール・オドワン・コンサルタント(PAC)は、ドイツの医療関連ソフトウエア・ITサービス市場が年率8%のスピードで成長し、今後3年で17億ユーロに拡大すると予測する。
\独通信最大手のドイツテレコムは医療情報システムに進出。法人向けITサービス子会社T-Systemsを通して院内医療情報システムや電子健康保険証システム、遠隔在宅医療などのプロジェクトを実施する。すでに昨年秋には医療、車両、電力の3分野における高度な情報通信ネットワーク向けソリューションを開発する「インテリジェント・ネット・ソリューション」事業を新設した。3分野の合計売上高を2015年までに10億ユーロへと引き上げる計画だ。
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