チューブメーカーの独Masterflex(ゲルゼンキルヒェン)は4月28日、2011年1-3月期(第1四半期)決算の純損益が90万ユーロの黒字となり、前年同期の赤字(40万ユーロ)から好転したと発表した。事業再編が奏功した格好で、営業利益(EBITベース)は同74.5%増の240万ユーロへと大きく拡大。売上高も24%増の1,390万ユーロと好調だった。
\1987年創業の同社は2008年から昨年にかけて事業再編に取り組み、中核事業をチューブとチューブコネクターに絞り込んだ。これに伴い、先月には電動自転車製造子会社のClean Air Bike(ベルリン)とVelo Drive(ヘルテン)を売却。今後も燃料電池事業を売却ないし他社との合弁会社に移管する意向だ。
\中核事業分野では特殊素材を使用した顕微手術用チューブなどの最先端製品を生産する。また、耐熱温度1,000度のチューブを開発したほか、昨年はロシアとブラジルに子会社を設立。技術革新と事業の国際化に力を入れている。
\2010年通期の売上高は前期比20%増の4,610万ユーロに拡大した。純損失は前期の1,360万ユーロから230万ユーロへと大幅に縮小。中核事業の売上高営業利益率は14%に達しており、同社のアンドレアス・バスティン社長は事業再編の成果が表れてきたとの見方を示した。
\2011年の業績については売上高が10%増の5,000~5,100万ユーロ、EBITが700万ユーロになるとした従来予想を据え置いた。事業拡大コストが発生する可能性などを踏まえ慎重な姿勢を示した。
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