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2011/5/4

経済産業情報

情報通信技術業界、景況感が過去最高に

この記事の要約

独情報通信業界連盟(BITKOM)がこのほど発表した業界の景気アンケート調査報告によると、今年第1四半期の売上高が前年同期を上回ると回答した企業は78%に達した。ドイツ経済回復のほか、タブレットPC、スマートフォン、クラ […]

独情報通信業界連盟(BITKOM)がこのほど発表した業界の景気アンケート調査報告によると、今年第1四半期の売上高が前年同期を上回ると回答した企業は78%に達した。ドイツ経済回復のほか、タブレットPC、スマートフォン、クラウドコンピューティングなどの需要急増が追い風となっている。売上増を見込む企業は売上減を予想する企業を72ポイント上回り、10年前の調査開始以来の最高を記録した。

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2011年通期の売り上げが増えるとの回答は87%に上った。特にパソコン、プリンター、ディスプレーなどのハードウェア部門では同割合が92%と高い。タブレットPCの人気が加速していることなどが背景にある。

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順調な業績を受け、企業の66%がエンジニア、コンサルタントなどの新規採用を計画していると回答した。業界全体では「年内に1万人の新規雇用が見込まれる」(BITKOMのシェール会長)。ただ、その一方で「専門知識を持つ人材が不足している」との回答も59%と多い。

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シェール会長はまた、ドイツのエネルギー政策にも言及した。米国、中国、韓国などが次世代送電網(スマートグリッド)の開発を積極的に推進している対し、ドイツでは同目的の補助金がわずか2億5,000万ユーロにとどまっていると指摘。ロードマップの作成を含む包括的な普及政策を政府に要求した。

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