欧州中央銀行(ECB)は5日にヘルシンキで開いた定例政策理事会で、ユーロ圏17カ国に適用される最重要政策金利を年1.25%に据え置くことを決めた。ECBは物価の急上昇を受けて、4月に0.25%の利上げを実施したばかりで、今回の決定は予想通り。市場は追加利上げを確実視しているが、トリシェ総裁は来月の利上げは見送ることを示唆した。
\ユーロ圏のインフレ率は4月に前年同期比2.8%となり、前月から0.1ポイント上昇。2%となっているECBの上限目標値との差が拡大している。トリシェ総裁は理事会後の記者会見で、「金利政策のスタンスはなお緩和的だ」と述べ、インフレ対策として追加利上げに踏み切る用意があることを明らかにした。
\ただ、総裁は物価動向について「非常に注意深く見守っていく」とコメント。翌月の利上げの予告として用いている「強い警戒」という表現は使わなかった。このため、6月の利上げ見送りは決定的になったと受け止められている。
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