大手化学・日用品メーカーの独Henkel(デュッセルドルフ)が4日発表した2011年1-3月期(第1四半期)の決算は売上高が前年同期比8.9%増の38億2,300万ユーロ、営業利益(EBITベース)が同1.9%増の4億3,000万ユーロとなり、ともに業績予想を上回った。コスト削減や新製品の導入が奏功した。同社のカスパー・ロルシュテット代表取締役はこれを受け、2011年通期の売上成長率を従来予測の3~5%から5%程度へと引き上げた。Persilなどの主力ブランドやアジア、中近東、ラテンアメリカ事業が業績を押し上げるとみている。
\第1四半期に売上成長率が大きかったのは主力の接着剤部門で、11.5%に達した。値上げと販売増が業績を押し上げた。コスメティック部門も新製品導入の効果で業界平均を上回る同5.7%を記録している。一方、洗剤部門は販売規模が伸びたものの価格の下落が響き1.6%の増収にとどまった。
\ローター・シュタイネバッハ最高財務責任者(CFO)によると、今年は原料価格が10%上昇する見通しで、同社は今後も値上げやコストの削減を通して吸収していく意向だ。日本の震災については業績に影響する可能性があると示唆した。
\