米司法省は3日、ドイツ銀行と米住宅金融子会社MortgageITをマンハッタンの連邦裁判所に提訴したと発表した。2行は連邦住宅局(FHA)による住宅ローン保証プログラムの資格を得るために、借り手の信用情報について「重度の虚偽申告を行い」、米政府にローン破たんの損害を負わせたとして、10億ドル超の賠償支払いを求めている。MortgageITは住宅ローンに特化した銀行で、2006年にドイツ銀に買収された。
\司法省の訴状によると、MortgageITは1999~2009年の10年間、3万9,000件の住宅ローンについて借り手に破たんリスクはないと保証し、FHAの住宅ローン保証を取得していた。しかし、これらローンの約3分の1に当たる1万2,500件が今年2月11日までにデフォルト(債務不履行)に陥り、米政府はこれまでに3億8,600万ドルの保険金支払いを余儀なくされた。さらに8億8,800万ドルの追加負担が見込まれている。
\司法省はMortgageITとドイツ銀がFHAの規定に沿った信用調査を行わずにローンのリスクを隠ぺいし、借り手の返済能力などについて虚偽の申告を繰り返してきたとして、両行を厳しく批判した。一方、ドイツ銀行は「訴えには根拠がなく不合理」と反論。法廷で争う考えを示した。
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