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2011/6/29

企業情報

Volkswagen AG―MAN監査役会への役員増派見合わせ―

この記事の要約

自動車大手のVolkswagen(VW、ヴォルフスブルク)は27日、同社が約30%出資するトラック大手MANの監査役会への役員増派を見合わせると発表した。欧州連合(EU)の欧州委員会から懸念が示されたためで、MANの経営 […]

自動車大手のVolkswagen(VW、ヴォルフスブルク)は27日、同社が約30%出資するトラック大手MANの監査役会への役員増派を見合わせると発表した。欧州連合(EU)の欧州委員会から懸念が示されたためで、MANの経営側代表監査役の過半数をVWが派遣するという計画はひとまず棚上げとなった。

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VWは同社と子会社ScaniaおよびMANの3社からなるトラック分野のアライアンスを実現する計画で、5月にはMANに対する株式公開買い付け(TOB)方針を打ち出した。出資比率を30%超に引き上げて調達共同化のネックとなっているカルテル法上の問題をクリアすることが狙いで、現在、欧州委がアライアンス計画を審査している。

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MANの経営側代表監査役は計8人で、現在はそのうちの3人をVWが派遣している。VWはこれを過半数の5人に増やしMANへの影響力を大幅に強化したい考えで、27日開催のMANの株主総会でVWのヴィンターコルン社長、ペッチュ取締役(財務担当)、ハイツマン取締役(商用車事業担当)の3人を監査役に選任させる考えだった。だが、欧州委はカルテル法上の審査が終了するまで3人の選任を見合わせるよう求めたという。3人は商用車子会社Scaniaの監査役を務めており、同じ商用車メーカーのMANの監査役をカルテル審査の終了前に兼任するのは好ましくないと同委は判断したようだ。

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