欧州中央銀行(ECB)は8日の定例政策理事会で、ユーロ圏17カ国に適用される最重要政策金利を現行の年1.5%に据え置くことを決めた。トリシェ総裁は記者会見で、インフレより景気見通し悪化の懸念を強調したことから、市場ではECBが利上げ局面に終止符を打ち、利下げに動くとの見方が広がっている。
\ユーロ圏では今年に入って、原油価格の高騰を背景にインフレ率が急上昇し、ECBは4、7月に各0.25%の利上げを実施した。それでもインフレ率が許容水準を超えていることから、先月までは利上げ局面が続くと目されていた。
\しかし、トリシェ総裁は理事会後の記者会見で、「ユーロ圏経済は緩やかに成長するとみている」としながらも、「不透明感が強まっており、下振れリスクが大きい」と述べ、景気の先行きへの懸念を表明。物価動向に関しては、「(インフレ・リスクの)バランスが概ねとれている」と述べた。物価上昇の懸念を前面に打ち出した先月までの姿勢から一転した格好だ。
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