鉄道大手のDeutsche Bahn(DB、ベルリン)は発注した鉄道車両について長期間の試験運転を実施し、故障などの不具合がないことが確認されてから代金を全額支払う方針だ。7日付『ファイナンシャル・タイムズ(ドイツ版、FTD)』紙が報じたもので、メーカー側の保証範囲を拡大させることで車両の品質と安全性を高める狙いがあるという。
\同方針の背景には、DBの現行ICEで不具合が相次ぎ運行に支障が出たことがある。製造元メーカーとDBが責任を相互に押し付け合い決着に時間がかかったことも大きい。
\DBはこれを踏まえ、次世代高速鉄道車両(ICx)の大型発注で今年5月にSiemensと合意した際、メーカー責任を明確に定義したほか、メーカーが量産開始前の試験運転期間をこれまでよりも長く設定し、不具合の有無を慎重に確認することなどを取り決めた。締結された契約文書は計800ページにも及んだという。
\今回の方針は製造側の責任範囲を同契約よりも拡大するもので、ICxにも適用する考えだ。メーカーは売掛金の回収期間が極めて長期化することから、反発すると予想される。
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