金融・経済危機の直撃を受けていた独バイオテクノロジー業界が活力を取り戻しているようだ。Evotecは6日、アルツハイマー治療薬の開発でスイス製薬大手ロシュと提携すると発表。また、バイオ検査機器・診断サービス大手のQiagenは同日、白血病治療薬の開発で米製薬大手イーライ・リリーとの提携を明らかにした。4SCも開発中のがん治療薬「レスミノスタット」がフェーズII臨床試験で良好な結果を出すなど、明るい話題が相次いでいる。
\Evotecとの提携でロシュはEvotecにまず一時金1,000万ドルを支払い、開発の進捗に応じて最大8億2,000万ドルのマイルストーンを追加する。また、製品上市後は2けた台の料率のロイヤリティーを支払う。Evotecはこれを受け、2011年通期の売上高予測を「7,000万~7,200万ユーロ」から「7,700万~7,900万ユーロに上方修正した。
\Qiagenはイーライ・リリーが開発している白血病治療薬のコンパニオン診断薬(各患者の治療薬の選定に用いる診断薬)の開発を引き受ける。『ハンデルスブラット』紙によると、同社はコンパニオン診断薬の開発ですでにアムジェンやファイザーなど15社以上の製薬会社と提携しており、実績が評価された格好だ。
\4SCは開発中のホジキンリンパ腫(HL)治療薬「レスミノスタット」のフェーズII多施設無作為比較試験(SAPPHIRE)で全奏効率(ORR)33.3%、病性コントロール率(DCR)54.5%を達成。効果の高いHL治療薬の実現に1歩近づいた。
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