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2011/9/28

経済産業情報

出願特許の質低下で弊害=OECD、イノベーション保護がおろそかに

この記事の要約

経済協力開発機構(OECD)は20日、科学・技術・イノベーションの動向をまとめた『科学・技術・産業スコアボード』(Science, Technology and Industry Scoreboard)の最新版を発表した […]

経済協力開発機構(OECD)は20日、科学・技術・イノベーションの動向をまとめた『科学・技術・産業スコアボード』(Science, Technology and Industry Scoreboard)の最新版を発表した。それによると、既存の特許にわずかな変更や修正を加えただけの技術を新規に出願するケースが世界で急増。当局が審査手続きに追われる結果、革新的な技術への特許付与が遅れる弊害が起きているという。

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OECDによると、質の低い特許出願が増えたことで、2000年代に案件が特許として認められる割合は1990年代に比べ20%減少。特許が付与されたのは出願の4件に1件に下がったという。

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欧州特許の取得件数を出願国別でみると、日・米・独の3カ国が引き続き先頭グループを形成している。2001~05年に付与された特許件数が最多だったのはドイツ(7万件)で、それまでトップを維持してきた米国(6万件)を抜いた。日本は3位で4万8,500件だった。

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ただ、3カ国の影響力は相対的に低下している。重要特許(分野ごとの被引用回数で上位1%)に占める日・米・独の割合は1996~2000年(5年間)の7割から2001~05年(同)には6割へと後退した。ドイツの特許が14%で変化がなかった一方、米が35%から28%、日本も20%から18%に下がったことが響いた。

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