電機大手のSiemens(ミュンヘン)が顧客企業や自治体向けの融資を強化する意向だ。リーマンショック後に投資資金を確保できない顧客が増え同社の販売に支障が出たことを踏まえた措置で、危機が再発しても事業を拡大できる体制を整える。金融サービス部門SFSのローランド・チャロンズブラウン最高経営責任者(CEO)が『ハンデルスブラット』紙に明らかにした。競合の米ゼGeneral Electric(EG)や、航空機大手Airbusも同様の措置を取っている。
\Siemensの顧客向け融資額は一昨年度が41億ユーロだった。昨年度は50億~60億ユーロに増えたもようで、今年度はさらに拡大する見通しだ。顧客企業の間には、金融危機再来の懸念を受けメインバンクの融資姿勢が再び抑制的になりだしているとの声があり、SFSは資金需要の拡大を見込んでいる。
\同社が融資を拡大することは、好況時にも顧客にメリットをもたらす。複数の金融機関が手を組んで行う協調融資(シンジケートローン)を受けやすくなるためだ。
\金融事業の強化に向けては2010年末にドイツで銀行免許を取得し、融資を行いやすい体制を構築した。金利などの融資条件は業界の水準に合わせる方針で、条件を引き下げて顧客を獲得することはしない。
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