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2011/10/5

経済産業情報

包装材回収大手が大口顧客Lidlとの契約解除

この記事の要約

包装材回収システム(デュアルシステム)運営で独市場2位のInterseroh(ケルン)が、ディスカウントストア大手Lidlが展開するプライベートブランド商品の包装材回収業務契約を9月末で解除した。システムただ乗り事業者へ […]

包装材回収システム(デュアルシステム)運営で独市場2位のInterseroh(ケルン)が、ディスカウントストア大手Lidlが展開するプライベートブランド商品の包装材回収業務契約を9月末で解除した。システムただ乗り事業者への対策が進まないなど、デュアルシステムの「将来の不確実性が高すぎることに対し警鐘を鳴らし、改善を促すことが目的」としている。Interserohは今回の措置によって、市場シェアが2割から1割に半減する見通しだ。9月27日付『フランクフルター・アルゲマイネ』紙が報じた。

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独廃棄物処理事業者連盟(BDE)によると、軽包装材回収用の黄色いコンテナで収集される包装材・容器の量は年190万トンに上る。その一方で、メーカーや販売店から支払われるライセンス(回収委託)料は110万トン分にとどまる。「包装材を自主回収している」と主張する小売店やメーカーの包装材の大半が実際にはデュアルシステム事業者用のコンテナで回収されているためだ。業界関係者によると、軽量包装材1トン当たりのライセンス料収入は580ユーロ程度で、固定費さえカバーできないケースもあるという。

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自主回収を申告する事業者はライセンス料が大幅に軽減されることが背景にある。InterserrohがLidlとの契約を解除したのはLidlが軽減ライセンス料しか支払っていないにもかかわらず、実際には同社の包装材の大半がデュアルシステムのコンテナ経由で回収されていたためとみられる。

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LidlはInterserohの契約解除を受け、業界最大手のDuales System Deutschland(DSD)に回収業務を委託したもよう。

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